長崎は雲仙。
崖沿いの海の見える道を走っているとこんな建物が目に入る。

その名もマリーンアート館
「マリーンアートってなんだ・・・?」
と考える前にさっそくご主人が笑顔でお出迎えしてくれた。
めっちゃいい笑顔だな(笑)
さっそくマリーンアートを見せてもらう旨をお伝えし、中を案内してもらう。
入り口のところに早速マリーンアートが姿を表す。

じゃーん!!こちらがマリーンアートだ!!
えっ??
ちょっと色がくすんでるけど、普通の絵じゃないかって?
ちっちっち、甘い甘い!!(我ながら古いノリ)
よく見てもらいたい!!

これ実は全て魚の皮なのだ!!!
屋根の下の部分とかウロコの痕が見えるの分かるかな?
特殊な技術で魚の皮をなめし、
その皮を着色して貼り付けてこのような美術作品を作っているのだ。

ちなみに、こちらが材料のうなぎの皮革。
あの皮まで美味しくいただける貴重なうなぎがもったいない・・・
とも思ったが、マリーンアートの素材となるのはいわゆる食卓に並ぶあのうなぎではなく、
ヤツメウナギなんだって。あまり食用には向かないらしい。

触ってみてビックリ!!
これマジで革なんだわ!!
手触りはいわゆる革靴とか革財布とかの革のまんま。
動物製の革と比べるとちょっと薄いけどね。

このマリーンアート館にはそんな着色されたヤツメウナギの皮革で作られた作品がたくさん並ぶ!
こうして遠目から見る分には全然うなぎの皮なんかには見えない!!
相方と2人で「すげー!すげー!」とはしゃいで写真を撮っていると、
ご主人が嬉しそうに色々と説明してくれた。

基本的に作品は雲仙周辺の景色や、長崎の景色。
特にマリーンアート館の周辺からの景色がほとんどなんだって。
実際にその場所に行ってスケッチをしているそう。

うなぎの皮なめしには2種類あって、化学薬品を使う方法とタンニンを使うなめしの方法があるらしい。
タンニンを使った皮なめしは昔ながらのやり方で、なめした皮を食べることも出来るんだとか。
そういえば大昔に漂流した人が革靴を食べたとかあったな。
このマリーンアート館の皮は全てタンニンを使った皮なめしで作られているそうだ。
いざとなったら食べることも出来る・・・と思ったけど、着色料で染めてるから無理とのこと。
よく考えたらそりゃそうだ(笑)

こうしてちょっと離れて見てみると普通に絵の具で描かれたみたい。
でも近づいてよく見てみると・・・

これがうなぎの皮だってことが良く分かる。
染色した際の色のムラとかもしっかりと計算して配置されている。
グラデーションとかマジですごいわ!!

もともと牛革がメジャーになる前はうなぎの皮なめしの技術はあったらしい。
下駄の鼻緒や財布なんかに使われていたんだとか。
その技術を復活させてアートにしちゃうなんてご主人すげぇな!!

こちらは長崎のめがね橋。
マリーンアートの弱点としてはどうしてもウナギの皮のベースの色が残るため、
くすんだ色になってしまい、原色のはっきりとした色は出せないんだとか。

そのため、空の色など、はっきりとした色をどうしても出したいときはまずキャンパスに絵の具で空を描き、
その後にペタペタとウナギの皮を貼っていくそうだ。
それにしても、頭の中にまず作品のイメージがないと出来ないことだろう。すごいなぁ!


こちらは同じ構図を逆の位置から見たところ。
先ほども言ったが、ご主人はこの近隣の景色ばかりを描いている。
ここに至るまでに見た景色やマリーンアート館の駐車場から見えるような景色もある。


そんな中とても印象的だったのが、雲仙岳の噴火の様子。
1991年の6月のこと。ご主人にとっても非常に大きな出来事だったのだろう。
火砕流と花のコントラストがなんとも言えない。

マリーンアートは何度も雑誌などで取り上げられたことがあるらしい。
しかし、どれも記事が古い。最近はあまり取材も来ていないのかな?
マジですごいクオリティなので、もっともっといろんな人に知ってもらえたらいいのになぁ。
「じゃんじゃん宣伝しちゃって!」とのことだったので、このホームページを見た人もぜひ行ってみて!

ちなみに、こちらではコーヒーを飲むことも出来る。
コーヒーを飲みながらマリーンアートを眺めるなんてちょっとオシャレじゃない?
21世紀のトレンドはマリーンアートで決定だ!!
というわけで、マリーンアート館でしたー!!!
店名 | マリーンアート館 |
住所 | 長崎県雲仙市小浜町富津4223−2 |
電話番号 | 0957-74-3417 |
料金 | 無料 |
営業時間 | 10:00~18:00 |
定休日 | 不定休 |
関連URL | なし |
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