ガス灯に昭和のガス製品。ガスの博物館は昭和レトロだらけだ!(14/3/21)

博物館

東京の小平にはガスの博物館なんてものがある。
電気・水道・ガスは貴重なインフラであるが、
実はよく仕組みなどが分かっていなかったりもする。
というわけで、今回はそんなインフラの1つであるガスについて学びたいと思う。

ガスの博物館は大きな2つの建物に分かれている。
左の建物はガス灯を展示しており、右の建物はガス関係の給湯器やコンロ、ストーブなどを紹介している。
まずは左の建物から行ってみることにしよう。

ガス灯

明治時代の初期。
ガスは明かりとして使われていた。
ガスを燃焼させて街を明るくしていた。

こんなにたくさんの種類のガス灯があった。
ガス灯の光はオレンジ色で蛍光灯やLEDと比べると暖かい光。
どうせなら実際に照らして展示してほしかったなぁ。

初期のガス灯は手動で火を点けていた。
それでも明かりの無かった時代と比べると画期的だったのだろう。

外にはガスの製造機の模型が置いてあった。
これは乾式脱硫機。石炭ガスの精製過程のうちで、
硫化水素などを除去する装置であり、水酸化鉄の層に通して脱硫を行う。
うん、こんな説明が書いてあったけど、全然分からない(笑)

こちらはコークガイド。
かまどから排出されるコークスを消化者に導く装置で、
かまど前の台上に敷いたレールを走行する。

うん、難しすぎて何が何やら(笑)

もう1つの建物へと入ってみる。
こちらでは生活に関わるガス用品が展示されていた。

ガスストーブ

上部はコンロになっており、
ヤカンを置けるようになっている。
部屋が乾燥しないような工夫がこの頃からなされている。

コロンビア二口七輪

とてもシンプルな構造をしている。
明治37年製。100年以上前の製品だが、
現在のガスコンロとほとんど構造が変わらない。

洗面湯沸

大正時代のものだが、熱源がむき出しになっている。
触った瞬間火傷してしまうだろう。今では考えられない構造。

ストーブ、コンロ、湯沸し、照明。
当時も今も生活するうえでガスは欠かせない。

ガス灯が東京に設置されたのは明治7年。
明治20年代に電灯会社が設立するまでは重宝したようだ。
ガス灯は室外灯から室内灯へと移行していき、
娯楽の発展にも寄与することとなった。

大正時代のガスマントル。
燃焼させると強い光を発し、室内を明るく照らす。
このおかげでガス灯の家庭への普及は急増していった。

照明用とコンロ用の2口の分岐ケーブル。
たしかに2つを同時に使えるのは便利だろうが、
ケーブルがすごい邪魔そう。
コンロの火でケーブルが切れたら大惨事になってしまう。

こちらはいろんなものがセットになった台。
コンロ、グリル、オーブンがセットになっている。
形は違うが、今の家庭にも普通にあるもの。当時から完成されていたんだなぁ。

ガスストーブ

当時の冬は今より寒かったことだろう。
そんな中暖房器具の登場は画期的だったようだ。

ガス式のかまど。
形は違うが、今でも大量に炊く用に存在する。
電気釜よりも直火釜炊のほうが美味しいイメージ。

ガスバーナー

理科の実験で使われるやつ。
上と下のダイヤルでガスと空気を調節し、火力を調節する。
理科室にあるやつは上下のダイヤルがくっついてしまい、大変だった思い出がある。

ガス式のアイロン。
大正時代にアイロンっていう概念があったのがびっくり。
ガスホースが邪魔そう。

ガス式の火鉢
下にガスホースの連結口があり、上にコンロがある。
ハイテクなんだろうけど、なんだか風情がないなぁ。

ストーブと兼用のコンロ
熱源を一体化させるという発想としてはいいんだろうけど、普通逆だよね?
ストーブの上にコンロを置くかと思いきや、コンロの部分にストーブを置いてある。

ガス式の湯沸かし器。
家庭用のお風呂の普及に貢献した一品。
それまでは銭湯に行くのが普通だったが、昭和30年頃に家庭用のお風呂が普及した。

カニ型のガスストーブ。
熱を帯びるとカニの背中が赤くなるらしい。
かなりオシャレな発想だが、置き場所取りそう(笑)

四面式の食パン焼き器。
食パンを焼くためだけにわざわざ・・・とも考えてしまうが、そういう時代だったのだろう。
確かに4枚まとめて焼けるのは大家族にはオススメだ。

ガス式の湯沸かし器。
上部のポットが取り外せるようになっている。
今の電気ポッドと全く同じ仕組み。

珍しい足湯器。
残念ながら使い方は紹介されていなかったが、
わざわざ足湯をするためだけの機械なら普通にお湯を沸かせばいいじゃんと思ってしまう。
だが、この機械は熱が逃げないようにとか、いろいろ工夫がされていたのだろう。

ゆで卵器
これも足湯器と同様。普通にお湯を沸かせば別にわざわざ・・・(笑)
まぁ、今では全く見かけない理由もその辺にあるのだろう。

陶製の七輪。
戦争で使う兵器のための金属が不足したため、
1943年に金属回収令が発令され、やかんやアイロンなど、鉄の代わりに陶器が使われた時代があった。
割れやすく、非常に使いづらかったらしい。

ガス式の冷蔵庫。
冷蔵庫とはアンモニアの気化熱を利用し、冷却を行う仕組みだが、
気化したアンモニア水溶液を再び水とアンモニアに分離するためにガスの熱を使用していた。
もちろん、電源は別に必要としていただろう。

昔のガス式給湯器。
一般家庭よりも団地についているイメージがある。
うちのボロアパートにもあるけど、お湯の温度を上げると水勢が一気に下がって困る。

このあたりは昭和中期~後期のコーナー。
ギリギリ見たことがあるようなものも数多くある。

ガス式のオーブンとストーブ。
今やガスのオーブンなんてコンロと一体になっているものくらいしか見ない。

ガス式の給湯器。
先程も言ったが、うちにあるやつは温度を上げると水勢が一気に下がる。
本当に不便で仕方がない。

このあたりは最近でも見かけるやつら。
ガスファンヒーターも使ったことはないが、
今でもまだまだ現役で存在する。

ところ変わってまたしても古いガス器具のコーナー。
ゴトク式のガスコンロ。非常にシンプルで使いやすい。

ガス式のお釜。
炊飯器が普及した今ではあまり見かけない。

斜めに配置されたガスコンロ。
省スペースのことも考えられていたのだろう。

こちらもガスコンロ。
非常にシンプルな作りをしている。

ガス式の湯沸かし器。
今考えるとあんな一瞬で水をお湯に変えるってすごいよなぁ。

2階にはガスの製造について展示してあった。
昔は石炭を燃焼させることによってガスを作っていた。
このサイズの石炭から一般家庭3ヶ月分のガスを作ることができた。

明治5年に作られたガス発生炉。
石炭を乾留させ、ガスを発生させる仕組み。
明治5年にこんな装置を作っていたことに驚きだ。

大正2年に作られたコッパース式室炉の模型
石炭を直接火にかけるのではなく、熱した空気を送り込むことによって乾留させる。
現在でも使われている方法。

昭和27年に作られた油ガス発生装置
石油からガスを発生させる仕組み。現在ではこちらのほうが主流。
原油を熱分解し、ガスを発生させる。石炭を使用する方法よりも低コストだった。

ガスオルガン

鍵盤を押すとガラス管の中の炎が変化し、柔らかい音が出るそうだ。
しかし、音域はわずか2オクターブ半。
これでどんな曲を演奏するというのか。

ガスの地下貯蔵槽。
この写真だと分かりづらいが、何十もの層になっており、
ガスが漏れないようになっている。

バルブ。
供給の仕組みが模型になっている。
複雑に絡み合って、高圧でガスを送るための機械などもある。

ガスパイプ。
ガス漏れなどが起こらないようにしっかりとした素材だが、
その分非常に重いのが難点。

ガスのメーター。
初期のものは大きく、表示もわかりづらい。
改良を重ね、現在のものへと変わっていった。

というわけで、ガスの資料館。
個人的にはちょっと展示が不親切な気もしたが、
ガスについてたくさん知ることができる。

誰もが必ず使うであろうインフラについて、知っておいて損はないぞ!!

店名ガスの博物館
 住所東京都小平市大沼町2丁目590
 電話番号042-342-1715
 料金無料
 営業時間10:00~17:00
 定休日月曜日(ただし、月曜日が祝日にあたる場合は翌日)
 関連URL公式HP

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